Google Apps Standard Editionを使ってみた

書けと言われたので書いてみるが,どれもちょっと調べればわかるようなことなので,こんな手続きが必要なんだなあということを知る程度のものだと思ってもらえれば.

構成

Email*1 と Calendar を使用. Windows Mobile 6 Classic の載っている Advanced W-ZERO3 と「連絡先」および「予定表」を ActiveSync via Google Sync で自動的に同期.メールは双方向に転送しあう.他にいくつか持っているメールをすべてこれから送受信可能にする.

ドメインまわり

購入

安かろう悪かろうと叩かれつつも,使い慣れているドメイン取得&レンタルサーバー VALUE-DOMAIN(バリュードメイン)で \990/year の gTLD を一つ購入.最近流行のさくらインターネット|サーバーホスティングサービスは調子に乗って値上げしているようなのでスルー.

DNSの設定

他に望まなければ,1番のAレコードは最初から設定されているまま放置すればよい.2番のドメイン所有権確認は Google Apps 側で指定された通りに.5-11番は Email 利用のために必須. Docs や Sites も利用するなら3,4番の要領で書けばいいが,どうせリダイレクトするだけなので不要だと思えば設定しなくても良い.

# ホスト名 ターゲット タイプ MX設定
1) * ほげほげ A 10
2) ほげほげ*2 google.com. CNAME 10
3) mail ghs.google.com. CNAME 10
4) calendar ghs.google.com. CNAME 10
5) @ aspmx.l.google.com. MX 10
6) @ alt1.aspmx.l.google.com. MX 20
7) @ alt2.aspmx.l.google.com. MX 20
8) @ aspmx2.googlemail.com. MX 30
9) @ aspmx3.googlemail.com. MX 30
10) @ aspmx4.googlemail.com. MX 30
11) @ aspmx5.googlemail.com. MX 30

まあこんなものはドキュメントに書いてある.

Google Appsまわり

最低限行っておくべき事はドメイン所有権の確認.今回は Google Sync を利用したいので, Dashboard -> Mobile -> Enable Google Sync をチェックしておく.
あとの設定は好きなように. SSL を強制したり, Contacts を追加したりした.

Email

Catch-all とリレーのオプションがあったので私は利用したが,必須ではない.
セットアップを行えば直ちに利用できる状態になっているので,問題は昔のメールの統合.以前は GMail Loader を使って GMail のダミーアカウントにメールを転送したものを時間をかけて fetch する*3しかなく,しかもこの方法ではエラーでいくつかメールの転送に失敗しても気づかない or 拾う気にならない残念なインターフェースで操作しなければならないのに加えて,送信メールについては諦めるしかなかったのだが,最近の GMailIMAP をサポートしているので非常に簡単に移行できる. Settings -> Forwarding and POP/IMAP -> IMAP Access の Enable IMAP をチェックしておく.
それまで何らかのメールソフトを使って POP でメールを読んでいた場合,そのソフトが IMAP に対応しているならば Google Apps のアカウントをこしらえて,昔のメールを D&D すればよし.そのソフトが IMAP に対応していない場合,そのソフトのメールのインポートに対応した Mozilla Thunderbird など IMAP 対応の適当なメールソフトを導入して同様に. GMail などの Web メールから移行する場合も,それが POP か IMAP に対応しているなら Thunderbird を使ってディレクトリ/ラベル構造を保ったまますべてのメールをコピーできる.それも駄目なサービスは爆発すればよい.
私は遙か昔に使用していた Eudora 6 のメールを改めて統合するために, Eudora 6 -> Thunderbird 3 とメールを移して IMAP でコピーした.以前の ThunderbirdEudora の添付ファイルを正常に読み込めず, JustSytems ShurikenPro などを経由する必要があったが,最近の Thunderbird はやたら空気が読めるらしく直接いけた.
メールの移行が終わったら,他のメールアドレスに届いたメールを統合するために, Settings -> Accounts -> Get mail from other accounts でいろいろ登録しておく.私はプロバイダから貰ったアドレス,大学で貰ったアドレス,以前使っていた GMail のアドレスなどを追加した.
この設定を行ったメールアドレスは自動的に From の候補に追加されるが,他にも携帯のメールアドレスなどを Settings -> Accounts -> Send mail as から追加しておくと便利だったりする.私はアドエスのメールアドレスから送信できるようにしている.
次にアドエスとのメールの双方向転送. WILLCOM は「オンラインサインアップ」から,受信したメールを丸ごと転送する宛先を設定することができるようになっているので,そこに Google Apps で作ったメールアドレスを書いておく. Google Apps の側では, Matches: -{アドエスのメールアドレス} という条件で,アドエスのメールアドレスに転送するフィルタを作る.有り難いことに GMail には同一メールが何通も届くと二通目以降を無視するという果てしなく空気を読んだ仕様があるので,これで自分が To ないし Cc で指定されたメールはどのメールアドレスに送られてきても Google Apps およびアドエスに一通ずつ届く.ただしメーリングリストBcc など,アドエスのアドレスが明示的にヘッダに含まれないメールはアドエスに二通届く.二通届いたり,あらゆるメールがアドエスに転送されたりするのは結構鬱陶しいので,適宜フィルタで切っておく.
Contacts の Ex-/Import は公式がサポートしているので問題なし.

Calendar

指示に従って Ex-/Import すればよい.

Windows Mobileまわり

広く知られているように,何故か Windows Mobile 単体では Google Sync の設定がうまくできないことが多い.今回もうまくいかなかったので, Windows XP の入っている PC に ActiveSync 4.5 を入れて,それ経由で設定を行った.

サーバー アドレス m.google.com
ユーザー名 Google Apps でセットアップしたユーザ名
パスワード 同パスワード
同期するデータ 連絡先,予定表

これもたぶんどこかに書いてある.
既に ActiveSync を設定している場合,いったんサーバー構成を削除しなければならないが,そのとき同期していたデータが消えるので,怖い場合はちゃんとバックアップを取るなりなんなりしておくと良いだろう.

*1:+ Contacts

*2:ドメイン所有権確認のための文字列

*3:GMail Loader 単独ではタイムスタンプが保持されない