Santiago 到着
三日目に困難を押し付けた結果、最後の二日間は特に苦しい思いをせず計四十キロ余りを歩くことが出来た。
まあ、泊まろうと思ったペンションでその近辺一帯の宿は全部埋まっていると告げられ遠いホテルを紹介されたり、朝チェックアウトしようにも人がいなくて他の宿泊客と共に途方に暮れたり、トラブルがなかったわけではないが、どれも落ち着いて対応できれば問題ではなかったもので、疲れていても短気になってはいけないなあと思い知らされることばかり。
サリアの町外れからはじめたから、使用した地図を信用するなら五日で 120 km 弱を歩いた。距離だけ見るとたいしたことはないけど、まあなかなか骨の折れる道中だった。
さて無事カテドラルにたどり着いてコンポステラーノも貰えたので、後は今回の旅行のパトロンであるパテルの手配してくれたパラドールに泊まるだけだと気楽にホテルへ向かったところ、非常に笑えない状態に陥った。上着は塩を吹いて大変なことになっていてとても使えない。完全に詰んでいる。
今思えば、確かに違和感は至るところにあった。歩くのとは別のズボンを持って行ったほうがいいという日本でのアドバイス、カテドラルの目の前という良すぎる立地、地図上での参照する注釈の見当たらない大量のアスタリスク。
うーむ、一体どうしたものか…